ガイドライン

在来作物の実態は、現状では学術的にほとんど未解明と言ってよい状態です。そのため、歴史的、文化的背景をふまえずに無秩序に利用しようとすれば、かえって在来作物を滅ぼしてしまう危険さえあります。そのため、以下のような暫定ガイドラインを提示します。

●多様性と固有性の重視

「たね」や栽培技術は、土地ごとに違う自然・社会条件に順応した結果として生まれてきました。そのため在来作物は多様性に富んでいます。そして、在来作物の固有性は、「たね」や栽培技術だけでなく、食文化と一体となることで発揮されます。したがって、安易に他の作物を押しのけて栽培を急拡大させることや、ある地域の在来作物を他の地域に移植することは、他の在来作物を滅ぼしてしまう可能性があります。「ありふれたもの」として地域に「埋もれている」在来作物を丹念に発掘するとともに、「たね」から栽培技術、加工、利用にいたるまで、その土地で培われてきた技術や手法を詳細に調べあげていかなくてはなりません。

●「継承」していくためには農家の技術が必要

在来作物を継承するためには、たねとりの技術を残し持続的に栽培していくことが必要となるため、農家の協力が必要不可欠です。実験室では「たね」を残せません。静岡在来作物研究会では、知識や技術を引き継ぎ、在来作物を育んできた担い手である農家との連携を重視していきます。ただし、一部では消滅の危機に瀕している在来作物もあり、一時的な「救済措置」が必要なこともあります。こうした場合には、専門の研究機関との連携も視野に入れなくてはなりません。

●生産・流通加工・販売消費の連携(六次産業化)

在来作物を将来に継承するためには、これまでとは異なる新たな活用も求められますが、それは一朝一夕にできるものではありません。そこでカギになるのが、プロフェッショナル同士の連携による「六次産業化」、すなわち、農業生産にとどまらず、流通加工、販売消費をつなげることです。

新しい活用を見出すには、歴史的、社会的な背景をふまえた、栽培と食文化が一体となったストーリーが重要です。「おいしさ」とは、「味覚」だけで決まるわけではないのです。また、「おいしい」からといって「売れる」わけではないことから、適切な販売戦略が必要となります。在来作物の新たな発展に向けて、静岡在来作物研究会では、研究者と農家が連携するだけでなく、流通加工や販売消費の専門家と協力して取り組んでいきます。

PDF版はこちら → 在来作物ガイドライン

 

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ガイドライン」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: ホームページ開設、ガイドライン公開 | 静岡在来作物研究会

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